鼻の病気とその治療

鼻アレルギーと花粉症

人間の体には、有害な物質を体から出そうという働きがあります。

この働きが、有害でない物質にも働くのがアレルギーです。

アレルギーになりやすい体質の人となりにくい体質の人がいますが、スギ花粉症のようにある日突然、症状が出ることがありますので注意が必要です。

アレルギーの原因物質(抗原)と時期

ハウスダスト、ダニ1年中、気候の変わり目
スギ
2月~4月
ヒノキ
4月~5月
カモガヤ(イネ科)
5月~7月
ブタクサ(キク科)
8月~10月

鼻アレルギーの症状

くしゃみ、水様性鼻汁(みずっぱな)、鼻閉(はなづまり)が3大症状ですが、鼻のカユミや、むずむずする感じ、子供の場合は鼻出血(鼻血)を伴うことも多いです。

また、合併しやすい病気として、アレルギー性結膜炎や喘息、アトピー性皮膚炎などがあります。

遺伝する傾向が強いことも知られており、ご兄弟やご両親のどちらかにアレルギー性の病気があると、アレルギー性の病気になりやすいと言われています。

夜間、鼻がつまってしまうため、のどを痛めやすく、朝起きると、のどが痛くなったり、のどのアレルギーになって、かわいたセキが長く続いたりすることもあります。

鼻アレルギーの検査

1.鼻の中を見る。

単純なことですが、非常に重要なことで、鼻アレルギーが起きていると、粘膜が白くブヨブヨになっていたり、赤く充血していたりします。

2.鼻汁好酸球検査

鼻汁(鼻水)の中にアレルギー性の細胞があるかどうかを調べる検査です。数分で結果が分かり、費用も安いのですが、アレルギーがある場合でも反応がでないこともあり(偽陰性)、何のアレルギーかも特定できません。

また風邪薬や鼻炎薬を飲んでいると反応がでません。

3.血液検査

費用と時間はかかりますが、何のアレルギーかが特定できます。しかしこの検査でも、アレルギーがあるのに、反応がでないこと(偽陰性)があります。

鼻アレルギーの治療

掃除やマスクで、アレルギーの原因物質(ホコリや花粉)を避けることが何より重要です。その上で

1.内服薬や点鼻薬を症状によって使い分けます。

2.レーザーで鼻の粘膜を焼いたり、手術で鼻の粘膜を切除したりします。

レーザーは日帰りででき、健康保険もききますので、当院では予約制で施行しています。ご相談下さい。

3.体質改善の注射(減感作治療)

松戸市立病院の耳鼻咽喉科等を紹介させて頂いております。

レーザー前

レーザー前

レーザー後

レーザー後

花粉症とその対策

有病率が20%を超え、日本人の国民病ともいうべきスギ花粉症ですが、現在までのところ、根本的な治療法は無く、以下の様々な方法を組み合わせた治療が広く行われております。

しかし、最も重要なことは、なるべく花粉を体から遠ざけることで、外出時のマスクと眼鏡より効果があるものは無く、逆にどんなに薬を使ったとしても、花粉を浴び続けるなら、ほとんど効果はありません。また部屋の中になるべく花粉を入れないようにすることも重要です。

1.抗アレルギー剤の内服

症状が始まる2週間前から飲み始めるのが効果的とされています。

症状や体質にあったお薬を処方させて頂いております。ご相談下さい。

症状がひどいときは、少量のステロイドホルモンの内服が副作用も少なく効果的です。

2.点鼻薬

ステロイドホルモンの点鼻薬は、鼻の中で分解されるため、妊娠中も比較的安全とされています。

3.レーザー

やはり症状の始まる2週間前位に行うと最も効果的です。妊娠を考えている方や、妊娠中の方には、一番おすすめです。

副鼻腔炎

副鼻腔炎

副鼻腔ってどこにあるの?副鼻腔炎ってなに?

人間の顔の骨には、空洞がいくつもあって、鼻とつながっています。鼻を鼻腔(びくう)と呼ぶのに対して、これらは副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれています。

カゼや鼻炎が原因となって、副鼻腔に炎症がおよぶものを副鼻腔炎と言います。(昔は蓄膿症と言いました)

副鼻腔のうち、頬にあるものを上顎洞、両目の内側にあるものを篩骨洞、目の上にあるものを前頭洞、目の奥にあるものを蝶形洞と呼びます。

副鼻腔炎の原因

カゼをひいて鼻の中に炎症が起きると、その炎症が副鼻腔に広がります。

花粉症や鼻アレルギーがひどくなって、その炎症が副鼻腔に広がることもあります。

正常な人のレントゲン

正常な人のレントゲン

副鼻腔炎の症状

鼻がつまってきて、粘り気のある鼻汁や色のついた鼻汁が出てきます。

鼻汁がのどの方にまわってきて、タンがからんだセキが出てきます。

(特に子供の場合は、朝起きてから、タンがからんだセキをします。ゼンソクと間違われることも多いようです。)

頬や頭が重くなったり、痛くなったりします。

急性中耳炎になりやすくなったり、滲出性中耳炎がなかなか治りません。

(中耳炎がなかなか治らないので、検査してみると、副鼻腔炎が発見されることも多いです。)

鼻の中がくさく感じたり、においが分からなくなったりします。

副鼻腔炎(子供)

副鼻腔炎(子供)

副鼻腔炎の検査

鼻の中を見て、鼻汁の性状と鼻汁が出てくる場所を調べます。

のどを見て、鼻汁がのどにまわっているかどうか調べます。

レントゲンをとって、副鼻腔の状態を調べます。

副鼻腔炎(大人)

副鼻腔炎(大人)

副鼻腔炎の治療

局所の治療

外来で鼻の中に薬を注入したり、薬のついた綿棒を鼻に挿入し鼻の粘膜を収縮させた後、ネブライザーやプレッツ置換法(ベッドで鼻を洗う)を行います。

内服薬による治療

マクロライド系抗生物質を通常量の半分から3分の1の量を数週間、内服します。鼻アレルギーが疑われる場合には、抗アレルギー剤を同時に内服します。子供の副鼻腔炎は、ほとんどの場合、薬の治療で治ります。

手術

鼻茸(ポリープ)がたくさんある場合や、副鼻腔炎がだいぶひどい場合は、手術の適応となります。当院では松戸市立病院を紹介させて頂いております。

また鼻茸(ポリープ)を切除するだけの簡単な手術は当院でも施行しております。

虫歯に注意!

上の歯、特に上の奥歯に虫歯があると、そこからばい菌が入って副鼻腔炎(歯原性上顎洞炎)になることがあります。歯医者さんで歯の治療を同時にしてもらうことになります。

クリニック案内

アクセス

  • 電車
    新京成線 みのり台駅徒歩2分
    JR武蔵野線 新八柱駅徒歩9分

医院名
医療法人社団サマリヤ会
エマオ耳鼻科医院

院長・理事長
小林 伸行
住所
〒270-2231
千葉県松戸市稔台1-10-11
診療科目
耳鼻咽喉科
電話番号
047-368-0731